第二章


 翌日から大雨の予報でしたが、9月20日(金)は快晴。実はこの日が初めての下見。撮影するのは長野県内。各チームとも事前に現地に行って下見をされていると聞きましたが、我々はシフト勤務のため、練習以外で5人が揃うことがなく、前日に3名が先乗りして下見をすることにしました(あとの2名は当日入り)。



 撮影場所選定は長野出身の丸山さん。とても心強い存在です。まずは諏訪大社でお参りしてから下見開始。翌日、新鮮な気持ちで被写体に向き合いたいため、前日の下見ではほとんどシャッターを切ることなく、「雨が降ったら…」という目で見て回りました。

 

 9月21日(土)、TCC当日。天候は大雨。集合は12時半のため、午前中は下見。前日確認したいくつかの場所から、撮影時間を確保するため、車で30分で行ける2ヶ所に絞り込みました。

 下見を終えて茅野市民館に行くと、駐車場にはすでに多くの出場者が集まっていました。チーム関東レヴォーグの5名がおにぎりを持ったまま車から出てきて、キャプテン・中井憲吾さんは「田中さん、頑張りましょう!」と笑顔で声をかけてくれたものの、やはり、目が笑っていませんでした。



 会場内では、各チームのキャプテンが長野のケーブルテレビ・LCVのインタビューを受けました。私は「お客様に勝っていいのか…という気持ちはありますが、皆さん真剣に取り組まれているので、我々も全力で頑張ります」と答えました。



※撮影:フォトコン編集長・藤森邦晃さん

 トーナメントの組み合わせを決めるため、ホール内に入ると各チームが客席に座っていて、我々は一番後ろに座りました。司会進行の『風景写真』・永原耕治副編集長がステージに登壇。





 ルール説明の後、いよいよトーナメントの組み合わせを決める抽選会。16チームのキャプテンがステージに上がります。まずは、組み合わせ抽選を引く順番を決めるための抽選。私は9番目に引くことになりました。ここで「A-1を引いた方に選手宣誓をしていただきます」と永原副編集長が発表すると場内が大きく湧きました。1番の方から抽選のボールを引いていきます。



 「A-1」を引いたのはチームトミカラーのキャプテン・倉家eto修司さん。私は「A-2」で選手宣誓を免れて(笑)、チームトミカラーと対選することになりました。チーム関東レヴォーグ・中井憲吾さんが引いたのは、昨年優勝したチーム南信との対選。場内はとても盛り上がり、私は一人の観客としてわくわくする対選で期待が膨らみます。



 翌日の開会式に向けて「木遣り(きやり)」の予行演習の後、審査員を一人一人紹介。萩原史郎さん/星野祐佳さん/辰野 清さんがステージ上で挨拶。緊張感が高まります。





 いよいよ撮影スタート。大雨の中、駐車場から各チームの車が茅野市民館から撮影地に向かいます。我々は向かったのは諏訪大社。この日に到着した2名がお参り。いよいよ撮影に入ろうとしたとき、見覚えがある顔が…。なんと、翌日のオリンパスブースにアテンドされるしんちゃんが前日入りしていて、たまたま諏訪大社にお参りに来られたとのこと。ついでに我々の撮影風景を撮影していただきました(笑)。

 

 大雨でしたが、OM-Dシステムは防塵防滴のため、機材はまったく問題ありません。むしろ体の方が心配だったのですが、無理せずこの日の撮影は終了。



 

※撮影:しんちゃん

 事務局に終了した旨を連絡して、夕食タイム。食後はファミリーレストランで一人5点のセレクト。我々はセレクトがたいへんにならないよう、一人10カットをあらかじめカメラのスロット2にコピーしていたので、それほど時間はかからずに終了。ダブルスロットのカメラはこういうときに便利です。ホテルに戻って、部屋でビール1本だけ呑みながら明日の健闘を誓い合いました。

 



 自室に戻るとすぐに携帯電話が鳴りました。ケーブルテレビ・LCVの方で、翌朝、我々の撮影風景を撮影されるとのこと。メンバー全員に「取材が入るので身だしなみを整えて下さい。寝癖厳禁!」とメッセージを送りました(笑)。

 9月22日(日)朝、ルール上は3時から撮影可能ですが、9月23日(月・祝)に出勤するメンバーがいるため、無理せず5時に出発して、5時半には撮影地に到着。ケーブルテレビ・LCVの方が事前に伝えていた駐車場に先に来られていました。雨は上がっていましたが、どんより曇り空。前日に作品5点をセレクトしていたので、この日は「良い写真が撮れたら入れ替える」というスタンスのため、みんなリラックスムード。

 

 私は「自分らしい風景=小さな世界の風景」を十分撮影したので、「遠景風景」にも取り組みましたが、メンバーに見せたところ、「マクロの写真の方が良い」という意見が多く、以下の写真はすべてボツでした(笑)。









 最後にメンバー全員で記念撮影。みんなやり切った感で、充実した笑顔です。



 ルールで定められた時間より早めに撮影を切り上げて、一旦ホテルに戻ってチェックアウト。ホテルのロビーで朝撮影した写真を確認して、数人のメンバーの提出作品を一部入れ替えて準備完了。茅野市民館に向かいました。関係者入り口付近で待っていると、撮影を終えたチームが続々と駐車場に入って行きます。集合時間になると入り口前で作品提出に関する説明があり、キャプテンだけ会場内の控え室に入り、順番に提出していきます。



 提出完了してホッと一息。ロビーでチームトミカラー・倉家eto修司さんと会い、「一回選、宜しくお願いします」と言うと、「選手宣誓で頭がいっぱいです」と倉家eto修司さん(笑)。

 ロビーのオリンパスブースでカメラの説明をしたり、知人とお話ししているうちに、アッという間に開会式の時間になりました。ここからは各チームともユニフォームを着て臨戦態勢。



 『風景写真』・永原耕治副編集長の司会により、いよいよ決勝トーナメントが始まります。見事な「木遣り(きやり)」が披露された後、各チームが順番に呼ばれて公式カメラに向かってポーズ。このようなセレモニーがあることも知らなかったので、アドリブでやりましたが、見事なポーズを披露されるチームもあり、会場内が盛り上がってひとつになっていきます。審査員の方々が紹介されて、お一人ずつコメント。







※撮影:O口さん



 チームトミカラー・倉家eto修司さんによる見事な選手宣誓により、会場内緊張感Maxに! いよいよ決勝トーナメントです。一回選の相手はチームトミカラー。我々は悔いのないように「一回選全力投球」を決めて、全員ベストショットで挑みました。結果は5-0で勝利。あとから「3-0になった時点でベストショットを温存した方が良かったのでは?」と言う人はいましたが、「一回選全力投球」を決めていたので、温存という発想にはなりませんでした。





※撮影:O口さん

 その後、対選は続き、準決勝には負けましたが、3位決定戦に進むことができました。3位決定戦の相手はチームChakoフォト。指導されているTad 飯田さん/飯田久江さんとキャプテンの朝田理恵さんはSpace Jingのグループ展でご一緒したことがあります。また、このチームの先鋒・山田陽子さんはちょうどオリンパスプラザ東京クリエイティブウォールで写真展開催中という、全チームの中でも近い存在のチームのひとつ。こちらの先鋒はオリンパスギャラリー担当の丸山さん。「お客様に勝っていいのか」という気持ちはありましたが、よりによって、山田さんに5-0で勝ってしまったのです。後ろに戻る丸山さんは「勝ってはいけない人に勝っちゃったよ」と、複雑な心境を明かされました。次鋒はここまで4選全勝の諸岡さん。ここで勝てば3位が決定でしたが、そんなに甘くはありません。今度は0-5で返り討ち。

 泣いても笑っても最後の対選。ここまでのメンバーの対選成績は、諸岡さん4勝1敗、丸山さん3勝1敗、塚本さん2勝1敗と3名が勝ち越し。小笠原さんと私が1勝1敗。「ここで負けたら終わり」という対選には、年長者の小笠原さんか私が出ることを決めていました。相手はキャプテン・朝田理恵さんでしたので、私が出た方が「キャプテン対決」で盛り上がったかもしれませんが、「小笠原さんに勝ち越してほしい」という気持ちで、小笠原さんに出ていただきましたが、結果は1-4で小笠原さんの負け越しが決まってしまいました。小笠原さん、余計なことを考えてしまってごめんなさい。



 激戦を制して優勝したのはチーム結風(ゆいかぜ)の皆さんでした。おめでとうございます!







 決勝トーナメントの結果は以下の通りで、3位までのチームは来年シード(予選免除)になります。

 優 勝 チーム結風(ゆいかぜ)(西日本予選4位)
 準優勝 ハナミズキ東海    (東日本予選5位)
 3 位 チーム Chako フォト  (東日本予選4位)
 4 位 チーム オリンパス   (東日本予選6位)


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